在留資格の取消しについて
在留資格の取消しとは,在留する外国人の方が,偽りその他不正の手段により上陸許可の証印等を受けた場合や,在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに,当該外国人の在留資格を取り消す制度です。
対象となるケースは、どのようなものでしょうか。以下に解説していきます。
在留資格の取消しとなるケース
(1) | 偽りその他不正の手段により,上陸拒否事由該当性に関する入国審査官の判断を誤らせて上陸許可の証印等を受けた場合。 |
(2) |
偽りその他不正の手段により,日本で行おうとする活動を偽り,上陸許可の証印等を受けた場合。 ※「行おうとする活動を偽る」というのは、例えば、次のようなケースが該当します。
@単純労働を行おうとする者が「技術」の在留資格に該当する活動を行う旨申告した場合
A行おうとする活動以外の事実を偽り,上陸許可の証印等を受けた場合(例えば,申請人が自身の
経歴を偽った場合 |
(3) |
虚偽の書類を提出して上陸許可の証印等を受けた場合。 |
(4) | 偽りその他不正の手段により,在留特別許可を受けた場合。 |
(5) |
許可を受けた在留資格に係る活動を行っておらず,かつ,他の活動を行い又は行おうとして在留している場合。 |
(6) |
許可を受けた在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合。 |
(7) |
「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する者(日本人の子及び特別養子を除く)又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する者(永住者等の子を除く。)が,その配偶者としての活動を継続して 6か月以上行っていない場合。 |
(8) |
上陸の許可又は在留資格の変更許可等により,新たに中長期在留者となった者が,当該許可を受けてから 90日以内に,法務大臣に住居地の届出をしない場合。 |
(9) |
中長期在留者が,法務大臣に届け出た住居地から退去した日から90日以内に,法務大臣に新しい住居地の届出をしない場合。 |
(10) | 中長期在留者が,法務大臣に虚偽の住居地を届け出た場合。 |
在留資格の取消しは,入国審査官が,在留資格の取消しの対象となる外国人から意見を聴取することとされており,当該外国人は,意見の聴取に当たって意見を述べ,証拠を提出し,又は資料の閲覧を求めることができます。
在留資格が取り消されるとどうなる?
◆上記の(1)又は(2)に該当するときは,直ちに退去強制の対象となります。
◆上記の(3)から(10)までに該当するときは,30日を上限として出国のために必要な期間が指定され,当該期間内に自主的に出国することになります。
ただし,(5)に該当する場合のうち,当該外国人が逃亡すると疑うに足る相当の理由がある場合は,直ちに退去強制の対象となります。
指定された期間内に出国しなかった場合は,退去強制の対象となるほか,刑事罰の対象となります。
このようなケースに該当しないように、日本での生活においては十分注意しましょう。
参考記事