在留資格の変更について
在留資格の変更とは,在留資格を有する外国人が在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に,法務大臣に対して在留資格の変更許可申請を行い,従来有していた在留資格を新しい在留資格に変更するために許可を受けることをいいます。
この手続により,我が国に在留する外国人は,現に有している在留資格の下では行うことができない他の在留資格に属する活動を行おうとする場合でも,我が国からいったん出国することなく別の在留資格が得られるよう申請することができます。
1.資格変更許可の要件
以下の資格変更許可が得られるための要件は更新の場合と同じです。(「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」より抜粋)
・素行が不良でないこと
・独立生計に足りる資産又は技能を有すること
・雇用・労働条件が適正であること
・納税義務を履行していること
・入管法上の届出義務を履行していること
2.上陸許可基準の適用
在留期間更新において、上陸許可基準のある在留資格の場合、外国人が日本に上陸する際の上陸審査基準(上陸許可の要件)は、原則としてこれに適合していることが必要です。
これは在留期間更新における許可要件の基礎となる重要な事情となるからであると同時に、在留中も上記句許可基準の適合性の維持が求められます。ただし、上陸許可基準における年齢的な制限などは在留期間更新に当たっては、要件としては適合している必要はありません。
3.申請の時期
在留資格変更許可申請は、資格の変更事由が確定した時点以降に受理されます。
就労資格の場合内定通知書などが、留学の場合に入学許可書などが交付されており、雇用契約の開始や入学までの期間が概ね3ケ月以内の「ときは受理されます。
注意点としては、
在留資格の変更の事由が確定したということは、現存の在留資格の該当性が無くなったということでもあるので、許可の要件を満たすことの立証の準備を行い、速やかに申請しないと、在留状況不良と判断されてしまいかねません。
4.許可の事例
1.高度専門職2号は、高度専門職1号イロハからの資格変更でしか認められません。
この場合、基準省令で定める基準に適合していなければなりません。
2.高度専門職1号イロハの資格で、雇用先(本邦の公私の機関)を変更する場合。
・・・ 在留資格変更が必要です。
3.「永住者」への在留資格変更を希望する場合。
・・・ 在留資格変更ではなく、永住許可申請になります。(許可の要件は異なります。
より慎重な審査が必要だからです。)
4.「短期滞在」の資格から他の資格への変更は、特別な事情が認められないかぎり許可
されません。
5.技能実習1号から技能実習2号への移行。
・・・在留資格変更になります。(技能実習2号の基準を満たす場合)
6.技能実習2号の資格で、実習実施期間の変更。
・・・在留資格変更になります。
7.留学の資格で、大学や専門学校等を卒業して、「技術・人文知識・国際業務」へ
の移行・・・在留資格変更になります。
8.留学の資格で、大学や専門学校等を卒業して、「経営・管理」への移行
・・・在留資格変更になります。注意点としては、申請した場合に、起業に係る
出資金の出所が問題となることが多いと思いますので留意してください。
注)留学の場合は、以下の注意が必要です。
@留学中にアルバイトなどを行っていた場合に、資格外活動許可を得ていること。
特に在留資格変更申請時に、在職証明書の就職年月日が卒業前になっていること
で違法な資格外活動が発覚したような場合は重大な不利益が発生することがあります。
A「経営・管理」の資格で企業する場合は、通常、500万円以上が出資された事業規模
であることが必要ですが、その出資金の出所については、留学中の資格外活動による
のは活動時間の制限上、困難であると考えられるため、資格外活動の違法性を疑わ
れる可能性があるので、そうでないことを立証する資料を準備することが重要です。
あるいは、卒業後は一旦、「技術・人文知識・国際業務」へ移行して、資金などを得て
から「経営・管理」への移行を考えるほうがよいと言えるでしょう。
参考記事