「特定活動」の在留資格

「特定活動」の在留資格は、入管法別表第一の1から4までの表に掲げる活動以外の活動を行おうとする外国人を受け入れるためのものです。「特定活動」の在留資格には上陸許可基準はありません。
また「特定活動」は、@法務大臣があらかじめ告示をもって定める「告示特定活動」とそれ以外の「告示外特定活動」に分かれます。
「告示特定活動」は、通常の上陸許可の対象となり、在留資格認定証明書交付の対象になりますが、「告示外特定活動」は、他の在留資格からの在留資格変更許可を受けることになります。

特定活動告示について

「特定活動告示」について概要は以下のようになっています。
 ・家事使用人(外交・公用、家庭事情の場合、入国帯同の場合)
 ・ワーキングホリデー、アマチュアスポーツ選手とその家族
 ・インターンシップ
 ・サマージョブ
 ・国際文化交流
 ・EPAインドネシア、フィリピン、ベトナムの看護師等。
 ・医療滞在
 ・外国人建設就労者、造船就労者
 ・特定研究活動、特定情報処理活動
 ・観光、保養等を目的とする長期滞在と配偶者
 など。

告示外特定活動とは

特定活動告示、高度人材告示に定められていないが、個別に指定することを認めた活動で、今後の同様に指定することが適当と認められるもので、以下のようになっています。
 ・継続就職活動のダ学生(専門学校生)とその家族
 ・就職内定者およびその家族
 ・起業活動外国人およびその家族
 ・出国準備のための活動
 ・連れ親(日本人または在留外国人の高齢の親)の扶養
 ・連れ子
などです。
在留資格には、他のどの在留資格にも該当しない場合に「特定活動」という在留資格が用意されています。「特定活動」は、法務大臣が個々に指定した活動を行うことができる在留資格で、在留カードが発行される際、同時に「指定書」という書類も発行されます。
指定書は、通常、パスポートにホチキス止めされます。また,在留資格変更許可等により指定書を交付する在留資格で在留カードを交付する場合には,旅券や在留カードに添付することなくそのまま指定書を交付されますが,紛失防止等の理由により旅券への添付を希望される場合には,旅券に添付されます。

特定活動46号とは?

2019年5月告示改正が行われ特定活動46号が追加されました。これにより、要件を満たせば外国人留学生アルバイトをそのまま新卒採用が可能になり、サービス業や製造業などにも従事することが可能になりました。
ただし、業務に大学、大学院で学んだ事が一定水準以上必要であるため、単純作業だけでは雇用することは出来ません。

 

制定の経緯

人手不足の解消の他に、日本の大学を卒業した留学生の国内就業率は30%程度であることに対して、日本で就職したいと思っている留学生は65%程度にも上ります。2016年の日本再興戦略で「外国人留学生の就職率を3割から5割に向上させる」という閣議決定に基づくものです。有効求人倍率の高いサービス業や製造業などの業界で、日本語を話せる優秀な外国人の採用を求める声が強い一方、それは在留資格の制限上、非常に実現が困難です。大幅な規制緩和で、大学・大学院卒業後の外国人の就労者を増やすことが求められました。

 

許可の要件

・常勤で雇用されること
※正社員、契約社員でも大丈夫です。しかし、常勤であっても、派遣社員、パート、アルバイトは対象外です。

 

・日本の大学、大学院を修了していること。
※日本の短大、外国の大学、大学院の修了は対象外です。

 

・日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上
※大学、大学院で「日本語」を専攻した方は、免除されます。

 

・日本の大学、大学院で修得した広い知識及び応用的能力を活用する業務であること
※専攻科目と職務内容の密接な関連性までは求められていません。

 

・日本語での円滑な意思疎通を要する業務であること
※指示を受けた内容を他の外国人社員に伝え、日本人とコミュニケーションを取れる必要があります。

 

・日本人と同等額以上の報酬であること

 

業務の具体例

・コンビニやホテル、飲食店の店舗で、外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務(日本人の接客業務を含む)
商品の陳列、皿洗い、清掃作業のみ従事することは認められません。
・工場のラインで日本人従業員から受けた作業指示をたの技能実習生や他の外国人従業員などに対し外国語で指導・指揮をしつつ、自らも同一の業務を行うもの
工場のラインで指示された作業のみに従事することは認められません。
・タクシー会社において、観光客集客のための企画・立案を行いつつ、自ら通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動するもの
車両の整備、洗車のみに従事することは認められません。
・介護施設において、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、自らも外国人利用者を含む利用者との意思疎通を図り、介護業務に従事すること
介護施設の清掃、洗濯のみに従事することは認められません。

ポイント

指定書に記載されている機関名は、雇用先の企業名であるため、同一法人内の異動の場合は手続きは不要ですが、転職した場合は在留資格変更許可申請を行う必要があります。

 

配偶者、子供については「特定活動47号」の本邦大学卒業の配偶者等の在留資格が認められ、海外から呼び寄せる事ができ、「家族滞在」の在留資格と同じように日常の活動を行うことができます。

 

必要書類

在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請での必要書類については以下のようになっています。
※最新情報は、入国管理局のホームページで確認ください。
1・在留資格認定証明書交付申請書 こちらからダウンロードできます。又は在留資格変更許可申請書 こちらからダウンロードできます。
2・写真(タテ4cm×ヨコ3p)申請前3ヶ月以内に撮影された無帽、無背景で鮮明なもの
3・返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの)
4・パスポート及び在留カード(在留資格変更許可申請の場合のみ、申請時に提示)
5・申請人の活動内容等を明らかにする資料
 労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき,労働者に交付される労働条件を明示する文書(写し)
6・雇用理由書

雇用契約書の業務内容から、日本語を用いた業務等、本制度に該当する業務に従事することが明らかな場合は提出不要です。
所属機関が作成したものが必要です。様式は自由ですが,所属機関名及び代表者名の記名押印が必要です。

7・申請人の学歴を証明する文書
 卒業証書(写し)又は卒業証明書(学位の確認が可能なもの)
8・申請人の日本語能力を証明する文書

日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テスト480点以上の成績証明書(写し)。
なお,外国の大学において日本語を専攻した者については,当該大学の卒業証書(写し)又は卒業証明書(学部・学科,研究科等が記載されたものに限ります。)

9・事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
ア 勤務先などの沿革、役員、組織、事業内容(主要実績を含む)等が記載された案内書
イ その他の勤務先等の作成した上記アに準ずる文書
ウ 勤務先のホームページの写し(事業概要が確認できるトップページ等のみで可)
エ 登記事項証明書
※転職による在留資格変更許可申請については,7及び8は不要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。特定活動は、告示によるものと告示外のもも併せて内容が多岐にわたります。ここでは、特に最近増えている特定活動46号についいて詳しく解説しました。日本語能力の高い方で、そのコミュニケーション能力を生かした接客などの仕事をしたい方はご検討されてはいかがでしょうか。

 

参考記事

 

入管法の基礎知識

 

査証(Visa)

 

在留資格について

 

在留資格別の活動範囲

 

申請取次行政書士とは

 

在留資格認定証明書

 

資格外活動の許可

 

在留期間の更新

 

在留資格の変更

 

在留資格の取得

 

技術・人文知識・国際業務のビザ取得方法

 

経営・管理のビザ取得方法

 

企業内転勤のビザ取得方法

 

高度専門職のビザ取得方法

 

技能のビザ取得方法

 

特定技能のビザ取得方法

 

日本人の配偶者等のビザ取得方法

 

永住のビザ取得方法

 

 

まずはお気軽にご相談下さい。

平日 AM9:00-18:00
電話・メールで御予約いただければ土・日・祝日も対応いたします。
 042-595-6071 
エントランス

 

 

ページの先頭へ戻る